デモクラティックスクール まっくろくろすけ インタビュー

校舎は広い古民家

子ども(卒業生)インタビュー

Q. 君にとって、この学び場ってどんな場所?

私にとってのまっくろは、元気でにぎやかな場所。何が起こるか分からない刺激的なところもあって、独特の力強いエネルギーをいつも感じます。
そして何よりも、自由に過ごせる、居心地のいい場所だと思います。
最初は物語を書いたりと、一人で過ごしていました。
でも、他の人と共有できることもやるようになってから人との交流が増えて、まっくろに行くのが楽しくなっていきました。
それまで硬い感じだった自分も、自然と良い方に変化していったと思うし…。
何も焦ることなく、皆マイペースに過ごしていた中だから、自然にできたんだと思います。
まっくろで自分の何が変わったかというと、正直変わってないことが多いと思います(笑)。
だけど、できるようになってよかったと思う部分はあります。
ミーティングで、私は何か言いたいことがあっても、意見を強く主張する子がいたら、争いたくなくて諦めてました。
でもその後、自分がどうしてもやりたいことが出て来た時に、反対意見があっても、意見を通すことができたんです。
難しくても、反対されても、“やりたい!”っていう気持ちが勝って、最終的に実現できたのが嬉しかったし、印象に残っています。

子ども(卒業生)インタビュー

Q. 君にとって、この学び場ってどんな場所?

まっくろは、とても居心地がよくて、家以外の場で、何もせずに居るだけでもいいところ。
漫画を読んだり、何もせずにボーっとしたりすることが、自分によって居心地がよかったことに、辞めてから気づきました。
まっくろに通って気づいたことは、自分の欠点と、嫌な感情です。
怒りっぽかったり、嫌なことを言ってしまうとか。
最初はすごく嫌だったけど、あるときに、「自分の嫌なところは、注意はできるけど、完全にはなくせない」と気づいたんです。
それからすごく気が楽になりました。
そうしたら、自分以外の人の考えも受け入れやすくなったんです。
自分の悪いものを認めることができたからだと思います。
卒業することを決めたのは、同年代の子がいなくなったのがきっかけです。
まっくろを辞めようかなと思った後に、やりたいことができました。
料理が好きなので、料理関係の仕事に付きたいなと思いました。高校を卒業して、専門学校に行きたいと思っています。

保護者(お子さん9歳)インタビュー

Q. なぜこの学び場を選んだのですか?

子どもが小さかった頃、子育ての大変さから、私自身が不安定で体調も崩しがちでした。
そのため2歳くらいから保育園に通わせていました。
3歳くらいの頃から、まっくろの卒業生のお母さんに誘っていただき、焼き芋パーティーやwithキッズの集まりなどに参加させて貰っていました。
OBの子どもたちともよく遊んでもらったり、まっくろの雰囲気は大体知っていたのと、車で30分くらいの所に住んでいたのと、姪が学校に行きだして毎日宿題をしながら泣いたり怒ったりしているのを見たりして、学校よりもまっくろのほうが合っているんじゃないかと思って、1年生からまっくろに通う予定でした。
体験が終わる頃に、本人が「やっぱり今はまっくろ行かへん。うちにおる。次の誕生日から行く」といって1年間うちにいました。
はじめはびっくりしましたが、何にも制約のない一年間は、することや決まりのあった保育園の生活や、早くから私と離ればなれになっていた時間を、ゆっくり回復したり調整したりするのにちょうどよかったのだと思います。
その年の後半はビジターになってときどき通っていました。
2年生の始めから、本人が決めた通り行き始めました。

保護者(お子さん9歳)インタビュー

Q. なぜこの学び場を選んだのですか?

もともと、通常の学校教育に疑問がありました。授業風景を見ていると、これでは勉強が嫌いになるんじゃないかと感じました。
それで、ボストンのサドベリースクールをTVの特集で知り、実際に訪問して、とても気に入りました。
日本でも色々と調べ、いいところがないか探して、まっくろに辿り着きました。
まっくろは、子どもの自主性を尊重していて、子どもたちのことを想い、一番に考えてくれていると感じました。
子どもが成長していく上で、喧嘩などのトラブルがあっても、子どもたち自身で解決する環境と時間がまっくろにはあります。
作られた空間ではなく、子どもたちの居場所を自分たちでつくっていくことができます。
大人が決めつけず、自分で考えて行動していくことができる環境だと思います。
教育って、何が正解なのかはわからないし、将来に対して確信があるわけではありませんが、今、ここに来て、ここで生きていて、本当によかったと感じています。

スタッフ・寺本さんインタビュー

Q. この学び場に込めている思い

今に至るきっかけは、中学時代です。
高校生になってからふと振り返ると、中学時代の記憶がほとんどありませんでした。
当時は自覚していませんでしたが、息がつまって苦しい感じをごまかして生きてきたんだと気づきました。
はたから見ると、社会上も健康上も問題はないけれど、自分が健康とは思えず、いきいきと生きているとも思えない感じが、「健康にいきいきと成長し、生きる」とはどういうものなのかという疑問を生み、それが自分の大きなテーマになりました。
その後デモクラティックスクールを知って、「答えが見つかった」と思いました。
今、本当の健康とは、解放された心に裏打ちされたものであり、それは本当の自由の中で育つと感じています。
信頼されている環境の中で、自分で自分を育てるとき、いきいきと成長します。
本当の自由や、自分で自分を育てることは、決してわがまま放題の自由奔放ではありません。自分自身が責任を引き受けていく厳しいものです。
その厳しさの中で育つ子どもたちのいきいきとした瞳を見るのが私のしあわせであり、その環境をつくるのが、自分の天職だと思っています。

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