男子卒業生(18歳)インタビュー
Q. 君にとって、この学び場ってどんな場所?
公立の学校と比べることもあったけど、ここ(横浜シュタイナー学園)が1つ良かったのは「勉強がテストのためじゃない」ということでした。
ここの授業は、新しいことを知っていく、新しい見方を身につける楽しいものだと感じていました。
「勉強=やらなきゃいけないもの」だとは思った事がありません。
他者と比較されない中で根拠のない自信がつき、それが客観的には無理だと思われることでもチャレンジする今の自分につながっていると思います。
遠回りのようですが、学ぶことに対する貪欲さ積極性をはぐくんでくれた場所です。
Q. 将来やりたい事は?
僕は今大学受験の勉強をしているのですが、入学がゴールではなく、入ってから何をするかを考えています。
僕がやりたいのは、偏差値を上げる為の教育ではなくて、自分が1番したいことは何かを見つける為の教育をつくっていくこと。
それを見つけることが出来た人は自然と気持ちや情熱が乗っていくと思うし、そんな意欲を持って挑戦している人を見ることで、周りの人たちも勇気付けらる。そういうことの積み重ねで、社会も良くなっていくのかなと。
ただ、僕は教育だけを専門にやっていきたいわけではなくて、エネルギーや環境、格差の問題、教育など、様々な問題を融合させて解決することに取り組みたいと思っています。
僕が自分のやりたいことを見つけたのは、横浜シュタイナーの卒業プロジェクトで興味を持ったことを調べて発表する体験をしたからでした。
「これ、おもしろくなかった」ってこともあると思うけど、それも大事な発見。
卒業プロジェクトのような、生徒達が自分のやりたいことを発見できる授業を行なう教育をつくっていきたいなと思っています。
この学び場に興味がある子へのメッセージ
横浜シュタイナー学園は、公立の学校と比べて「知識を与える」という点ではペースが遅いかもしれません。
僕自身、この学校の全てに納得していたわけではないけど、先生や周りの大人たちが僕たち生徒1人1人を見守ってくれている感覚があったし、先生が苦悩しながらもこの学校をより良くしようとしてくれているんだなとも感じていました。
だから、この学校は「知識」が大量に入ってくるわけではないけれど、1人1人の学びたい!という「意欲」が育つ場所だと思います。
それさえ育てば、生徒達も前へ進んでいけるんじゃないでしょうか。
保護者(10歳&13歳の娘)インタビュー
Q. なぜこの学び場を選んだのですか?
娘が1歳半の時に、育児にモヤモヤを感じ始めて。
いろんな本を見て、ママ友とか作った方が良いのかなとか、公園デビューしたら良いのかなとか思ってやってみたんですが、何だか違和感があって……本当にこれで良いのかなと……
そんなモヤモヤしていた時に、「赤ちゃんからのシュタイナー教育」という書籍を読んだんです。
その時に、「これだ!」「これが、子どもの本来の育ち方なんじゃないかな」と感じました。
そしてシュタイナーの学校について調べていたら、自宅の近くで横浜シュタイナー学園を見つけ、ここを選びました
Q. 不安は無かったですか?
最初はシュタイナー教育を行なっている幼稚園に入って、その3年間は本当に良かったんです。
ただ、シュタイナーの小学校に入学するときは正直悩みました。
公立の学校であれば給食費くらいで済むので経済的な意味での不安もありましたし、ここの学校はフリースクールの扱いなので学区内の学校で籍を置いてもらえるようにお願いが必要で、その点で悩んだりもしました。
ただ、オープンデイに行ってみたり様々な体験授業を実際に受けてみて、「やっぱりこの教育を子どもに受けてもらいたい」と思ったんです。
ですので、いろいろと不安はありましたが、最後は「何が子どもの為になるか」ということで決めました。
Q. どんな場面で子どもの成長を感じましたか?
娘たちの成長は、いつも予想を超えて驚かされています。
例えば、今8年生の娘は普段おとなしいタイプなんですが、学園祭で劇を行う際に自分から「やりたい!」と立候補していたり、自分の意思をしっかり示すようになったんです。
変化したというよりは、周りが気づいていないだけで娘に本来備わっていた彼女らしさが現れてきたんだろうなと感じています。
他にも、学校の学外活動で奈良県へ旅行に行った時のお土産話で、大化の改新などの日本の歴史をドラマのようにイキイキ話してくれました。
母親としてはじめは「歴史=網羅的に暗記するもの」だと思っていましたが、娘は横浜シュタイナーでの学びの体験を通して「歴史=ドラマ/ストーリーとして吸収するもの」のように、イキイキとした学びと捉えていました。
他のクラスでは「大化の改新ごっこ」をしていたという話もききました(笑)
ああ、学びってこういうことなのか、と子どもに教えてもらっていて、親としても色んな発見があります。
子ども達は、親の思いや予想なんて簡単に超えて成長していくんだなあと感じています。
Q. この学び場に興味がある保護者へのメッセージ
とにかく、「一度来てみてほしい」なと思います。
パンフレットとか色々な情報はありますが、実際にこの空間に身を置いて、実際に親御さん自身が体験授業を受けてみたり、先生の話を聞いてみてほしいなと思います。
空間も、子どもを育てる環境の1つなんです。
この環境を支える大人の存在も重要だと思いますし、この横浜シュタイナー学園は親御さんたちも子どもの教育を一生懸命考えて、先生も親も一緒になって皆で子どもを支えています。
「子どもを預けて終わりじゃない」というのが、大変さでもあるし、この学校の良さでもあると思います。
保護者(娘8歳)インタビュー
Q. なぜこの学び場を選んだのですか?
子どもが生まれる前に(シュタイナー教育を提唱した)ルドルフ・シュタイナーさんが書いた本を読んだことがありました。
そこでシュタイナー教育を知って、「本質はシンプルである」と共感し、子どもにもこんな教育を受けさせてあげたいと思いました。
日本にはいくつかシュタイナー学校があっていくつか行ってみたのですが、住まいや仕事の関係でここに決めました。
Q. どんな場面で子どもの成長を感じましたか?
常々感じているのですが……私が高校まで受けていた公教育とは全く異なっていて、娘の発言ひとつひとつにも「ほおおおお」と感嘆させられることが多いです。
娘は今3年生ですが、そんな所まで見てるんだ、そんな事まで考えてるんだと感じていて、日常の全てをイキイキとした学びとして吸収している様子です。
「世界は、まっすぐな線と曲がった線でできているって習ったけど、じゃあ、お空はどっちかな?」と疑問に思ったり、日常における当たり前のことや見過ごしてしまいそうなことを「なぜそうなんだろう?なんでこうなっているんだろう?」と考えています。
大人の私はすでに当たり前に思ってしまうことでも、感動を持って出会い吸収しています。
この学び場に興味がある保護者へのメッセージ
まずは親御さん自身が、ぜひこの場所に来て、実際に肌で感じてみてほしいです。
それと、この学校に実際に来て「探訪会」に参加した時に、学校周りの自然が豊かだなと感じたことも良かったです。
年間を通して体験授業や先生の話を聞くイベントがたくさんあるので、ぜひ来てみてください。
スタッフインタビュー
Q. この学び場に込めている思い
2002年に全日制のシュタイナー学校を横浜につくろう、と有志で計画を始めた頃から今まで、思いはひとつ。
「比較的街中にあるこの場所で、シュタイナー教育を受けて巣立っていく子どもたちが一人でも多くいますように。」
シュタイナー教育は「自由への教育」を謳っています。この学校で9年間学んだ子ども達が、大人になった時に心身ともに健康であること。社会の中で自分らしくいられること。「自分が人生でなすべきこと」を見つけてくれること。それが「ほんとうの自由」に近づくことだと思っています。
Q. この学び場に興味がある親子へのメッセージ
「シュタイナー教育」というと禁止事項の多い、現代の科学についていけない時代遅れの教育だと不安に思われるかもしれませんが、これからのまさに不確実な世界の未来を、何もないところからでも何かを作り上げる丈夫な身体、温かな心、柔軟な思考力を身につけることができる教育だと自負しています。
この理念に共感して頂いたら、ぜひ一度公開イベントに足を運んで見てください。学園の高学年生たちの姿を見て、感じてください。

参考:
シュタイナー教育とは?