子ども(17歳男子)インタビュー
Q. 君にとって、この学び場ってどんな場所?
自分にとってWith優は家のような場所です。
With優では何をしてもいいという安心感があります。勉強したりもそうですが、料理がしたかったら他のみんなと料理をしたり、本が読みたかったら本を読んだり、自分のやりたいことを出来る場所だと思っています。
この学び場に興味がある子へのメッセージ
ここでは生徒の年齢はバラバラで、色々な子がいますが、みんな学校に行けなかったりしたことのある子だったので、心を許せて仲良くなれると思います。スタッフの人達も優しくサポートしてくれます。
With優では自分のペースで前に進めます。なので、学校があまり合わなかったり、安心出来る場所が欲しいと思っている人は難しく考えずに気軽に来て欲しいと思っています。
保護者(息子20歳)インタビュー
Q. なぜこの学び場を選んだのですか?
中1の1学期が終わる頃から不登校が始まりました。
このままでは不味いと焦り出した中2の3学期に、市立病院の先生からWith優を教えてもらいました。最初のうちは、代表の白石さんが何回も家まで来てくれ、上手にフリースクールへ連れ出してもらいました。
息子が初めて行ったとき「建物が気に入った。」とのことでした。確かに面白い造りの建物で、裏に川が流れていて、デッキスペースもあり、癒される空間に感じました。
代表の人柄や親身になってくれるスタッフさん達のあたたかく迎えてくれる雰囲気にも惚れ、息子も通いたいと言ってくれたので、ここに決めました。
Q. 不安は無かったですか?
学校に行けていないことによる勉強の遅れや社会との交わりなど、この先の不安はありましたが、学校では経験できないアットホームな人や自然との触れ合いを体験出来る場がWith優にはありました。
昼食をみんなで作って食べたり、山菜を採りに行ったり、みんなでスポーツをしたり、お寺の掃除の手伝いをさせてもらったり、という活動や、季節毎にチャレンジングなイベントを企画して下さっているのは、この先子どもにとって、かけがえのない経験が出来る場であると感じました。
ここでの経験が、この先の子どもの人生において基盤になると思います。
Q. どんな場面で子どもの成長を感じましたか?
・With優の卒業式などの時の映像を見せてもらった時に、生徒達の手作り感も感じられ、自分たちでも意見を出し合ったのだろうと感じられました。
・フリースクールの生徒達がスタッフとして働く、土曜日のカフェレストランでの子供の姿を見て、家では決してしないようなことを一生懸命やっている姿を見ることが出来ました。
・新潟県の海までの自転車旅行に参加して帰ってきた時に、この先の自信に繋がるこれらの体験を家で話してくれた姿にも成長を感じました。
この学び場に興味がある保護者へのメッセージ
この学び場は、何らかの理由で学校という枠組みには適応出来なかった子どもの居場所を提供してくれています。
年齢も性別も経緯も関係なく、自分と同じような想いや経験をしてきた仲間達や親身になってくれるスタッフさん達との触れ合いの中で、笑顔や安心感を取り戻し、その子本来のあるがままの姿で居させてくれる場だと思います。
長い人生の中で必ずどこかで壁にぶつかると思います。遠回りしてでも自分と向き合い、自分の力で生きていくことを応援してくれる、この学び場の存在に感謝しています。
代表・白石祥和さんインタビュー
Q. この学び場に込めている思い
With優は、2007年にスタートしました。自分自身が社会に出てから苦労したり、友人が亡くなったことなどが重なり自分の人生を見つめ直した時、「地域の若者の未来を、地域の人たちで支えていきたい」と思ったんです。
そこで、米沢市内7000軒のご自宅を1軒1軒訪問しフリースクールの理念などをお話する中で、ご賛同頂いた方々と共に設立しました。
ここには小学生から20代の青年たちがいますが、学校に行っている、行っていないに関わらず、その人の存在が掛け替えのない存在であることに変わりありません。
けれど、子ども達が学校に行っていないだけで自己否定をしたり、ご家族も自分の育て方が間違っていたんじゃないかと思っていらっしゃる方もいます。
With優では、原因探しではなく、苦も楽も一緒に共有し合える場所を作っていきたいです。
そして子どもだけが元気になるのではなくて、そのご家族も元気になったり、その地域全体が元気になり、地域全体で子どもの成長を見守り合う、喜び合うことを大切にしたいと思っています。
支援するとか、支援されるというより、子どもも大人も関係なく、みんなで学んで、遊んで、泣いて、笑って……そんな「でっかい家族」を作っていきたいです。
Q. この学び場に興味がある親子へのメッセージ
「お恥ずかしい話なんですが、うちの子が不登校で、ひきこもりで、自分の子育てが間違っていたんじゃないか」とお話しされる保護者さんもよくいらっしゃるんです。
でも、正しいとか間違っているって、ないと思うんです。
子ども達も、大人になって社会に出てから全員が全く同じ能力が求められるわけではないですよね。ある子が3年かけて学ぶことを5年かけて学んだって良いと思います。
まずは子ども自身が「今日楽しかった」と言って笑顔で家に帰ってくれること、そして親御さんも気軽に相談に来れること、そんな地域の人たちにとっての居場所であることを大切にしていきたいです。
“家族”だけではなくて、“地域全体”で、一緒に子育てをしていきましょう。