名古屋シュタイナー土曜学校 山里の森 インタビュー

出来栄えや技術ではなく過程の経験を大切にする

保護者(お子さん小3/小5)インタビュー

Q. なぜこの学び場を選んだのですか?

近所にシュタイナー教育の保育園があり、1歳の頃から子どもを預けました。
そこで初めてシュタイナー教育を知ました。
TVやキャラクターものを避けたり、刺激を少なくするなど、初めはびっくりしました。
でも、子どものために環境を整える大切さに納得でき、安心して預けられるようになりました。
土曜学校は口コミで知り、卒園後も一貫した環境を作ってあげたいと思って、入ることにしました。
現代は、子どもたちにとって厳しい環境であることを肌で感じています。
うちの子も、学校に行きたがらなかったり、当たり前と思いがちなことにも疑問を持って身体が動かなくなることがあります。
もしシュタイナー教育に出会わなかったら、それにも気づかず、頑張らせてしまっていたかもしれません。
土曜学校で、幼児期を過ごした環境に戻ることで、きちんと呼吸を整えることができればと思います。
行くのがイヤイヤなときもありますが、授業が終わると表情が穏やかになっていて、見えない部分で癒されているのかなと思います。
土曜学校は親たちで運営をしていますが、それが親の学びにつながっています。
お金を払って人に任せるだけでなく、自分で関わることで、自分育てもできる場です。

保護者(お子さん小6)インタビュー

Q. なぜこの学び場を選んだのですか?

横浜に住んでいた頃、ママ友から聞いてシュタイナー教育を知りました。
当時育児に悩んでいたので、シュタイナーの考えを知って、親も子どもも一緒に育ち合っていくっていいなと思いました。
名古屋に引越し、名古屋のシュタイナー幼稚園で、ここの土曜学校のことを聞きました。
6年間も通うことができるか悩みましたが、幼児期だけでなく、小学校の間にどういう学びがあるのか興味があり、入ることにしました。
子どもにとっても、学校と違う場、きちんと一人ひとりを見てくれる大人がいる場があるのがいいなと思いました。
また、私自身が、こういう場所を持っていたいという気持ちもありました。
実際に6年間通っていると、小さい頃は特に意識していなくても、6年生になると、どうして通っているのか疑問を持ったり、イヤだと言うこともあります。
でも、作品を自信を持って見せてくれたり、自分の意志でやっているという意識があると感じています。
周りの状況を見て自分で役割を見つけたり、柔軟にバランスを取るといった力も育っているようです。
親にとっても子どもにとっても、勉強で知識を得るのではなく、人と人との間でしか得られないことが、ここでは得られると思います。

保護者(お子さん小3/小6)インタビュー

Q. なぜこの学び場を選んだのですか?

子どもを通っていたシュタイナー幼稚園で、土曜学校のことを知りました。
小学校は地元の公立を選びましたが、シュタイナー教育の世界をもう少し味わわせてあげられればと思い、入ることにしました。
5年生のときに「行きたくない」と言うことがありましたが、話を聞くと、学校でここのことを話すと通じないのが寂しかったようです。
土曜学校自体が嫌というより、本当はもっと学校の友達とも土曜学校で味わっていることを共有したいんだろうなと感じました。
手仕事のおかげで、学校の家庭科が得意になったり、オイリュトミーをやっているからか、組体操の動きで前後左右の感覚をきれいに取れているように感じています。
ただ基本的には、シュタイナー教育は即効性があるものではないので、効果が分かりにくいことはあると思います。
目に見えないかもしれないけれど、長期的に子どもの成長の糧になっていってくれることを願っています。

教師/オイリュトミー・影島さんインタビュー

Q. この学び場に込めている思い

もとは横浜で公立学校の教師をしていました。
他の先生たちと一緒に、子どもが生き生きするための教育を勉強していたところ、シュタイナー教育を知りました。
そこで、自分自身の生き方を改めて考え、スイスに留学してオイリュトミーを学びました。
帰国した翌年にこの土曜学校が立ち上がり、声をかけてもらって、オイリュトミー教師として関わることになりました。
身体を動かすというのは人間にとって根源的な喜びだと思うので、楽しんで動きながら学んで欲しいと思っています。
とびきり上手になろうとするというより、ちょっとした困難を乗り越える喜びを感じてもらいたいです。
オイリュトミーでは、心のあり方が身体の動きに表れます。
技術を身につけるよりも、「私」自身が変化すること、自分のあり方が常に問題となります。
そういう意味で、オイリュトミーは、本当に「生きること」に寄り添っている、人生の色んなことに浸透していく教科だと思います。
すぐに具体的な成果が見えにくい教科でもありますが、人の成長は本来ゆっくりとしたものです。
土曜学校6年間を通して、あるいはもっと長い期間を通して、ゆったりとした気持ちで見守りたいと思っています。

教師/彫塑音楽・村上さんインタビュー

Q. この学び場に込めている思い

もとはシュタイナー保育園の職員を10年ほどやっていました。
もっとシュタイナー教育を学びたくなり、スイスに留学しました。
物作りが好きだったので彫刻を学んだり、同級生からライアー(※)を教わったりしました。
帰国後、もといた保育園の工房を借りて制作をしていたところ、土曜学校が始まることを知り、娘を通わせました。
そこから声をかけていただき、教師をやらせていただくことになりました。
彫塑では、1学期に粘土を、2学期からは彫刻をやります。
彫刻は、硬い四角い板からノミと彫刻刀のみを使って、1年かけてお皿を作ります。
素朴な道具だけでも、ずっと働きかけることで、硬いものも形を変えられるということを感じてもらえればと思います。
技術を磨くためではなく、出来栄えは二の次で、向かっていく姿勢を大切にしています。
小さい目標を積み重ねてやり続けるということが、これから生きていくときの困難を乗り越える力に、少しでもなれればと思います。
音楽では、小さな音のライアーを使うことで、自分から聞こうとしないと聞こえない音に、じっと耳を傾ける体験をします。
ここでしか学べない、体験できないことを、少しでも吸収していってくれればと思います。

(※ シュタイナー教育でよく用いられる、竪琴のような弦楽器)

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