東京サドベリースクール インタビュー

自分の人生を自分で選ぶ

子ども(13歳男子)インタビュー

Q. 君にとって、この学び場ってどんな場所?

この学校は中1になる前にお母さんが見つけてきて、見学に来ました。
「サドベリーは止まり木」「選択肢の交差点」と言った人がいて、自分はやりたいことがいっぱいあるから、面白そうと思って、中1からここに来ました。
小学校までの友達とは学校が違うけど、会おうと思えば会えるし、次のステップだと思ったから、迷わなかったです。

家みたいな空間で学ぶのが楽しいです。
皆自分のペースで、すごくのんびりしていて、家みたいにうるさくて、でもそれぞれがやりたいことやって静かなときもあって、そういうところがいいところだと思います。
PCやゲームや料理をしたり、がむしゃらにやりたいことをやってるだけだけど、今はやりたいことが固まってきました。

あえていえば、人数が少ないので、もっと増えて欲しいです。
人数が多い方が楽しいので。皆でコイバナとかしたいです(笑)
経営メンバーにも入っています。予算を自分で決められるとか面白そうだと思って、色々提案したりしています。
「自由には責任が伴う、責任には自由が伴う」と、この学校に入る前に言われました。
自分で自分のことを管理するのは、大変かもしれないけど、充実感があります。

子ども(7歳女子)インタビュー

Q. 君にとって、この学び場ってどんな場所?

3つくらいの学校を見学して、ここを選んで引っ越してきました。
この学校は、色んな部屋があって、女の子も多いので、見学のときから友達も作れて、とても楽しいと思いました。

今楽しい事は、シール交換をしたり、皆がゲームをやったりTVを見るのを見ていることです。
工作も好きです。週1で工作部をやっていて、本作りをしたり、木の工作をしたり、折り紙をしています。
皆で一緒にやったりすることが好きです。

あと、掃除も好きです。色んな掃除の分担を考えるのが楽しくて、大掃除のときも、皆の役割分担の振り分けや、ルール作りをやりました。
皆が気づかないところで、ここも掃除した方がいい、という提案をミーティングでしたりしています。

大変なことは、あんまりないです。
アレルギーがあるので、この学校ではお弁当で、食事が自由になったのがよかったです。
何でも興味があるので、コルクボード(学内掲示板)を見て、何か募集してると色々挑戦してます。(※)
パーティーの実行委員をやったり、司会をやったり、人前で見てもらうことも好きです。

(※このインタビューも、コルクボードの掲示を見て、自分で立候補してくれました)

保護者(お子さん7歳)インタビュー

Q. なぜこの学び場を選んだのですか?

ある方の娘さんがサドベリーに通っているという話を聞いて、日本にもそんな学校があることを知りました。
夫婦ともに学校教育に疑問があったので、公立に入れることに気が進みませんでした。
この学校では面接で色々質問をして、しっかり納得し、子どもも行ってみたいと言ったので、決めました。

Q. この学び場のよいところは?

子どもの様子を見ていると、1年目は何でも物怖じせずチャレンジして、とにかく楽しく過ごしていました。
2年目は自我が芽生えてきて、喧嘩や人間関係に悩んでいました。
授業がない分、ずっと疑似社会に放り込まれていて、年上や同い年の子たちとどう付き合うか、逃げ場がないわけです。
でもその後、大好きなものをみつけて没頭しているうちに、悩みは解消したようです。
そんな風に、サドベリーは単なる自分勝手な集団ではなく、人間関係の中でどう物事を運ぶか、社会の中・仲間の中で、どうやって自分のやりたいことをやって生きていくかを学ぶ場だと思います。

親がしたことのないことをさせるので、確信を100%持てるわけではありません。
でも、子どもの中の自発的な生きる力を信じ、1人の人間としての選択を尊重したいと思っています。

保護者(お子さん8歳)インタビュー

Q. なぜこの学び場を選んだのですか?

自立し幸せな人生を築いていくために、「自分が何をしたいのか、何に向いているかが分かる」ということと、「人と円滑にコミュニケーションを取れること」は大切な要素であると感じてきました。
そのために、他人と比較・競争が強く刺激されるような環境ではなく、早い段階から自立を促すことができる環境であったり、自らの責任の中で考える環境が、サドベリーにはあると思いました。
また、常に将来の準備ではなく、子ども時代も楽しめる環境があるのではと思って、サドベリーを選びました。

Q. どんな場面で子どもの成長を感じましたか?

今、自分の子どもを見ていると、人の意見になびく・流されることがなく、人はみんなそれぞれ違っているということにとても自然に認識し、自主性を持っていると感じています。
性格も手伝ってか、よく話し会話を楽しむようになりました。

家で特に気を付けているのは、マナーや道徳的なことで、これは絶対に聞かないといけないという雰囲気で伝えます。
大切なのは、条件反射的に言うのではなくて、「何故それをした方がいいか」を理解させること。
子どもだから無理やりさせるのではなく、1人の人だと認めて、筋を通して説明することが大切だと、私自身も学んでいます。

スタッフ・加藤さんインタビュー

Q. この学び場に込めている思い

小さい頃から、自分自身が、今この瞬間、好きな事をして生きているか、心の声を聴いて生きることを大切にしてきました。
そして、初めてサドベリーに出会ってコンセプトを聞いたときに、ピンときて、「本当に大切なことだな」と思いました。
もともと人や子どもに関わることが好きで、それまで子どもと一緒に創作アトリエをやったり色彩教室などをしていたのですが、東京サドベリーの話を聞いて「共に学校をつくってきたい」と思い、今に至っています。

ここでは、子どもたちは、日々自分自身を感じて生きています。
楽しいことも辛いことも含めて、自分自身に直面し、自分を見つめ、自分に気づくことの連続です。
そんな、子どもたちの学びの瞬間、発見の瞬間を見ると感動します。

スタッフとして心がけていることは、待つこと、話を聞くことです。
といっても、大人だから発信をしないわけではなく、「少し人生を長く生きている人」として、経験から伝えていけることもあります。
子どもがありのままに過ごせる環境づくりをしていきたいです。
大人も子どもも、自然に自分の意見を言える安心感、正直に生きられることを大切にしたいと思っています。

スタッフ・杉山さんインタビュー

Q. この学び場に込めている思い

私は20歳過ぎに「自分がやりたいことじゃなく、周りの大人の期待に答えようといい子をしていたんだ」と気づきました。
そんな頃に、サドベリーのことをテレビの特集で知り、理屈抜きでピンと来るものがありました。

すぐにネットで調べ、日本やアメリカのサドベリー校を見学。
その後サドベリー校を立ち上げようとしたり、広める活動をしようとしたりしましたが、うまくいきませんでした。
そんなときに、改めて東京にサドベリースクールを一緒に立ち上げることになり、設立メンバー兼スタッフになりました。

スタッフとして大切にしているのは、自分自身に正直でいることです。
世界は自分の心の反映です。
自分の気持ちがザワザワしていると、子どもの口調も荒くなります。心の状態や行動が反映されるんです。
だから、何をするかも大切ですが、自分がどうあるかを大切にしています。
「大人って楽しそうだな」と子どもが思えるような大人って素敵ですよね。
これからもそんな大人になれるよう人生を楽しみたいと思っています。

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