【解説】サドベリー/デモクラティックスクールとは?

教育の特徴

自由な過ごし方と、人との関わり合いの中で自ら学ぶ

デモクラティックスクールは、大人と子どもが対等な立場で「民主的」に学び、運営する学校の総称です。
米国のサドベリーバレースクールが先駆けであり、この学校をモデルにした場合は「サドベリースクール」と呼ばれています。
いつ、何を、どのように学ぶか・学ばないかは、全て子どもが自分で決めます。
およそ4~18歳の子どもたちが、縦割りで共に過ごします。
その上で何か問題が起こると、ミーティングで対等に話し合います。
自分の興味をとことん追求しながらも、多様な人と関わり合い、尊重し合う体験を通して成長していく場です。

本当にやりたい・必要だと感じた時に自分から行動する

「人は本当にやりたい・必要だと 感じた時に一番よく学ぶ」という考え方に基づき、一日の使い方は基本的に一人ひとりが決めます。
常駐の大人(スタッフ)はいますが、用意されたカリキュラムやテストは一切ありません。
その中で、教わりたいことがあれば自分で教えて貰いにいき、皆とやりたいことがあれば自分から提案します。
大人は子どもを「100%信頼」し、遊ぶことや休むことなど、どんな活動も尊重します。
子どもたちは、やりたいことに自分から行動すること、その結果に自分で責任を持つことを体験し、生き方そのものを学んでいきます。

共に過ごすための民主的なミーティング

学年やクラス分けはなく、様々な年齢の子どもたちが、互いに刺激し合い、学び合い、助け合って過ごします。
ぶつかり合いやトラブルがあれば、ミーティングで話し合いをして、どうするべきか考えます。
校内のルール、お金の使い方、スタッフの雇用なども、子どもと大人が平等な立場で話し合って決めていきます。
自分の自由が尊重されるだけでなく、お互いの自由を尊重し合うことを知り、多様な人との関わり方を学んでいきます。
また、子どもでも対等に学校運営を担うことで、自分だけでなく全体のことを考える視点や責任感が育っていきます。

歴史と現在

1968年、米国ボストンのサドベリーバレーという地に、ダニエル・グリーンバーグ氏らが中心となって「サドベリーバレースクール」を設立しました。
この学校が先駆的存在となり、同様の理念や方法を持つ学校が世界各地に設立されていきました。
サドベリーバレースクールを直接のモデルとして設立された学校(サドベリースクール)と、ルーツは違うものの同じスタイルに至った学校があります。
それらを合わせて、「デモクラティックスクール」と呼ぶようになりました。
厳密な定義や認定はありませんが、現在、世界に40校以上、日本には9校あると言われています。

豆知識

サドベリー/デモクラティックスクールは授業がないため、不登校の子どものための場(いわゆるフリースクール等)と混同されがちです。
しかし、フリースクール等が、不登校で傷ついた子どもの「ケアや支援」も重視しているのに対して、 サドベリー/デモクラティックスクールは、子どもが「自力で学び、成長する」ことを最も重視します。
何をしても自由である一方で、常に人との関わり方が問われ、自分の行動の結果は自分が負うという、ある意味厳しい側面もあります。
あくまで、理念に基づいた「学びの場」なのです。

関連リンク

⇒「サドベリー/デモクラティックスクール」の学校・園 一覧

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